英語の先生になって
英語の先生になった理由は、子育てをしながら家で仕事ができるという単純な理由だった。
でも、いざやってみると上手くいかないことだらけ。あまりに苦しく身体の調子を崩し、病院通いをしながらも続ける。
いつもなら直ぐに諦める私がなぜか踏ん張れた。
これまでの自分の人生を考えると、自分が心から望んで決めたことはなく、周りが望むように生きてきてしまった。
一番の理由は、子どもたちに頑張る母の背中を見せたかったのだと思う。
これだけは簡単に諦めたくなかった。
偶然に出合った言葉『 本気 』
本気ですれば大抵のことができる。本気ですればなんでも面白い。
本気でしていると誰かが助けてくれる。
息子と行った夏休みサッカー教室の特別講師「元日本代表サッカー選手の水沼貴史氏」の言葉。
夢に向かい、自分で自分の人生設計をしようという趣旨の講義で、子どもたちに向けて送られた言葉だったが、当時の私は、心からこの言葉を納得して受け取った。それを家の壁に飾り、巣立っていく生徒への送る言葉にもなった。
この言葉に支えてもらいながら。
『昨日よりも、ちょっとでも良いレッスンを』
『昨日よりも、ちょっとでも良い先生になりたい』
と必死だった。
この言葉通り、家族、友人に助けてもらい、感謝すべき大勢の人に出合った。
子どもたちの笑顔が見たいその一心で
さまざまなワークショップに出かけて、先輩先生たちからいろいろな手法を学んだ。
魅力的な絵本やカード、楽しい歌にゲーム。どんどん自分の教室で試して、子どもたちが弾ける笑顔で応えてくれた。
「英語大好き!」
「先生みたいな英語の先生になりたい!」
そう言ってくれる子まで現れて、この仕事の難しさと楽しさの両方を満喫した。
そのひとつ、アプリコット出版株式会社のワークショップは毎回参加、私の頑張るモチベーションになっていた。
そこでプレゼンターをされていた河原ひろみ先生が、いつも冒頭に質問を投げかけてくれた。
「あなたはなぜ英語を教えているのですか?」
「どんな生徒を育てたいですか?」
頭に浮かんだ答えは、「英語を好きに」「英語を得意に」だった。
「楽しくて英語が得意になる」と人気の教室に
その後、次男が中学生になった頃から、近所の方々に「小松先生の教室は人気でいつも満席」という有難い評判がたち、素晴らしいご縁に恵まれ、口コミだけで15年近く続け、週に18コマのレッスンをすることもあった。
期待されると俄然頑張れる私。
今度は、生徒全員が英語の成績を上げられるようなレッスンに打ち込むようになり、東大合格者を日本一輩出している高校の先生のセミナーにも、足を運んだ。
「成績が上がった。」「第一希望の高校に入学した。」「大学共通テストで英語は満点だった。」
そんな報告が舞い込むようになった。
「楽しく身に付く」をモットーにしていた頃のレッスン・発表会
しかし一方で、小学生の時には元気いっぱいにレッスンを楽しんでくれていたのに、中学生になる頃から自信を無くし、自分を否定し、レッスンでの態度も悪くなり、笑顔が消えていく子もいた。
こんなに長い間お預かりしているのに、何ひとつ出来ない自分に不甲斐なさを感じずにはいられなかった。
笑顔が消える子を救えない・・・
苦しかった。自分の仕事に誇りを持てなくなっていた。
ひろみ先生の質問が頭の中で蘇る。
『あなたはなぜ英語を教えているのですか?』
『どんな生徒を育てたいですか?』
答えが見つからなかった。
Upliftに入り学ぶ〜教育とはその人が幸せになるためのもの〜
ひろみ先生とMatthew先生を追いかけるように、English Upliftの次世代型こども英語講師養成講座を受講することにした。
以前から存じ上げていた両先生方の講座は想像していたものとは全く違った。
一回目の講座の冒頭にひろみ先生が言われた『教育とはなんですか?』
その答え、『教育とはその人が幸せになるためのもの』に、ドキッとした。
直感的にこれだ、と思った。
講座での私の学びの目的は「目の前の子どもたちを心から笑顔にすること」になった。
講座の学びはとにかく深かった。
コーチングって何?からのスタートだった。
受講生同士でコーチング演習が組まれ、毎日自分の内面と向き合った。
自分の人生を振り返り、何のために生まれてきたのだろう?と考えた。
潜在意識に落とし込まれたなりたい自分は「人の役に立ちたい」純粋にこれだけだった。
コーチングを学ぶうちに、「私がテストや成績ばかりにフォーカスするから子どもたちを逆に苦しめている」という事実に気づき、愕然とした。
講座の中で頻繁に出てくる『英語教育は言語教育。言語教育は人間教育』
教育が子どもたちを苦しめるものであっては絶対にならないのだ。
子どもたちの未来のためにできること
目の前の子どもたちをどうしたら笑顔にできるのか?英語の先生として何ができるのか?
私の挑戦が始まった。養成講座の数々のセッションは、全てに目的What forがはっきりとしていた。
その中で知った6C教育。
全てが「未来を創る子どもたちのために」作られた教育法で、「自分の能力を信じ自分の未来に期待できる子どもを育てる」教育法だと思った。そんな目的 What for に支えられえた英語教育、深い。
日本中を探して他にあるだろうか?子どもたちの未来を真剣に思う Love が詰まった教育と言ってもいい。
コーチングを学んだ後だったこともあり、とにかくワクワクしていた。
英語といううわべだけを教えるのではなく、「英語で教育をすること」が目的になった。
講座を受講してからは、今ではレッスン中全て英語で話す子、話そうとする子は増え、自分の意見を堂々と発表ができるようになり、友だちの意見に耳を傾け、友だちの個性を認め合い、自分の目標を自分で決めコツコツと努力するなど、嬉しい変化が起きている。
簡単なことではないが、何のために先生をしているのか、どんな子どもたちを育てていきたいのか、答えが見つかった。
こんな唯一無二の教育法を授けてくださったひろみ先生とMatthew先生にはどれだけ感謝してもしきれない。
そして、いつも温かいメッセージを送ってくださる保護者様にも深く感謝している。
この学びを子どもたちにお裾分けするためにこれからも学び続けたいと思っている。
「英語を使うクラフトレッスン。英語の発話100%に!
子どもたちの心を支える自己肯定感
私の教室では、子どもたちが高学年になったら、ひろみ先生作Affirmationの下敷きをプレゼントして、レッスン前に全員で唱和している。
日本語で意味をいちいち伝えてはいないが、毎回、お気に入りのAffirmationを一人ずつ言っていく。
ほどなく全てを子どもたちは暗唱できるようになる。
間違えることを極端に嫌がる子。
友だちに笑われたことをずっと気にしてレッスンに来られなくなる子。
いろんな場面で子どもたちは心を乱している。
間違えていいんだよと伝えるより、毎回の Affirmation:Making mistakes is important to achieve my goal. と、自分自身にOKを出すことが意味を成している。
自分の意見を堂々と言えるようになった子が、My ideas are valuable. を自分のお気に入りにする。
I am a beautiful person.と自己主張する子もいる。
また高校受験期が近づき、心が揺れる時にも、Every day I am getting a little better. を皆で言って今日一日の良いこと探しをする。
自己肯定感を高めるためにこのAffirmationの威力を感じている。
誰しも幸せになる義務がある。誰しも自分の能力を信じる義務がある。
日々のレッスンを通じて、子どもたちが自分を信じ、幸せに生きるエネルギーとなるものを、提供するために、まだまだ進化中。
Learning never ends.
仲間と学ぶ素晴らしさ
講座で学び始めたのは、ちょうどCovid 19が流行始めた頃だった。
世界中が未知の伝染病で、stay homeを余儀なくされ、不安な世の中になっていた。
そんな中でもできることを探し、新しいことに挑戦し、前へと進むことができたのは、共に学んで助け合える仲間の先生がいたからだ。
機械に弱かった私が、オンラインレッスンをするようになり、ホームページを作り、インスタまで投稿できるようになった。コーチング演習で話を聞いてもらうと自然と力が沸いてきた。仲間で学ぶことの尊さ、有り難さ、楽しさが身に沁みた。
私の可愛い生徒たちも、仲間と学ぶことの楽しさを感じてくれているだろうか?私も、そんな学びの場を教室という形で提供したい。
未来を創る子どもたちのために、日本中にもっともっとUpliftの学びの輪が広がることを願っている。
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