佐野 みのり


「私には無理」という思い込みに囚われていた自分

英語教育のことを気にし始めたのは今から10年前、息子が生まれた頃でした。

「英語耳は1歳までがチャンス」などと煽る広告も、その一つのきっかけです。

私自身は幼稚園から中学1年まで豪州の現地校で過ごした、いわゆるバイリンガルな帰国子女です。それならば、せっかくだし英語を我が子に教えてあげたほうが良いのだろうか?

正直とても迷いました。

だけど…ここは日本。
それも地方の小さな町なので、英語の必要性は日常では感じられません。
初めての育児で手いっぱいで、英語に取り組む余裕もない。

しかも本来の母国語である日本語を制限したらいけないし、やっぱり私には無理…。

英語をやらない理由をこうしていくつも並べることで、「もったいない気もするけど、まあ仕方がない」と私は表面上納得し、内面ではずっとモヤモヤし続けておりました。

田舎だったので現地校一択。
学校は大好きでした。

講座との運命的な出会いは、むしろ「再会」でした

時は経ち、人に頼まれたのがきっかけで英語を教えるようになって数年。

私は「次世代型こども英語講師養成講座」に出会い、大きな衝撃を受けました。
「そうだ、私が探していたのはこれだった!」…そう確信して講座に飛び込んだのは、大げさでもなんでもなく、最高の決断でした。

私が中学一年の夏に帰国した時、周囲から嫌と言うほど言われたことがあります。
それは「日本の勉強に追い付かないと高校受験に間に合あわないぞ」ということでした。

さぞかし難しいのだろうと必死で授業を受けているうちに、私は気づいてしまったのです。

「日本の学校は答えが教科書に全部書いてある!」…つまり、当時は「思考力を問う」系の考えはまだ日本に定着していなかったこともあり、要点をまとめた1問1答ドリルと赤シートを使えばテストで8割は余裕で取れてしまいました。(もっとも、高校に入ったら覚える量が増えすぎて、私の暗記力に限界がきてしまったのですが…)

今でも、「6時間でマスター!」「頻出問題を攻略!」のような参考書タイトルにも見られるように、テストでとにかく正解することを学びだと考えている人は多いように感じます。
しかし、表面的には「正解している」ように見えても、本質的にその事象を理解しているかと問われたら…?

「連立方程式って結局なんなの?」「微分積分ってリアルでは何に使うの?」

…正直私は自信がありません。そしてこういう方はきっと私だけではないと思います。

この講座の説明会兼セミナーで初めてお会いして感じたのは、Matthewとひろみ先生は「本質」をとても大事にしている、ということでした。
それを象徴するのが、“What for?” という、この講座で耳にタコができるほど登場するキーワードです。

「今、何のためにこの活動をするのか」
「何のために先生はこのタイミングで喋るのか」
「何のために先生はあっちのフレーズではなく、こっちのフレーズを使うのか」
…教室内の物の配置、教材の見せ方や隠し方、先生による発言の一言一句に至るまで、とにかくどんな細かいことにも理由があると言うのです。こうした話を聞いているうちに、私はかつて豪州の現地校で受けた教育を思い出しました。

例えば算数の繰り上がりや繰り下がりの単元では、地べたに算数ブロックを大量に用意し、来る日も来る日もブロックを並べては「銀行で両替」し、桁を移動する…というのを実践させられました。実際ノートに数字を書いて筆算をする頃には、それまで散々具体物を手を動かしてきているおかげでとても簡単に感じたものです。

私の母は日本式の教育しか知らないので「さっさと鉛筆で計算練習すれば良いのに、やはり海外の算数って進度が遅いのね…」とえらく嘆いていましたが、さて果たして、本質的理解ができた子はどちらが多かったでしょう。

そして同様に「予め決められた英語を練習するだけで、リアルには英語を使えない」子どもの英語は果たして有用と言えるのでしょうか。

何のために英語を教えるの?

ところで。
子どもに英語を教えている方ならば、口調のバリエーションはあれども、この趣旨の言葉を一度は浴びたことがあるのではないでしょうか。

「ねぇ、ぶっちゃけさー、日本語で良くない?英語できなくたって困らないし」

それに対し、何と答えましょう?
「海外旅行に行った時、便利だよ!」「洋楽が楽しめるよ!」「字幕なしで洋画を楽しめたらカッコよくない?」

…今は簡単な旅行会話ならスマホで十分です。邦楽だって種類は豊富ですし、動画の字幕や吹き替えは1タップで付けたり消したりできます。そもそも吹き替えを豪華な声優陣がやっていて、それ自体が面白かったりもするわけです。
子どもたちは英語がなくたって十分に今楽しく生活ができていますし、現にバイリンガルな私でさえ冒頭で触れたように「英語の必要性を日常では感じられない」と思っていたわけです。

では、日本人は何のために英語を学ぶのでしょう?

これは英語教育における究極の”What for”とも言える壮大な問いです。そもそも英語って必要なの?もし、日本に英語教育がなかったらどんなことが起こるの?…この講座ではこのような、一般的に「常識」と思い込まれていることを客観的に見つめる作業をします。同志の先生方とのコーチングセッションを通して、じっくりじっくり、自分の答えを探ります。

また、このような活動の過程で今後子どもたちが生きていくにあたって大事な6つのC(Communication, Collaboration, Critical thinking, Creativity, Character building, Citizenship)を自ら体験し、体感します。
ただ単にテストで正解できるように英語を練習する場としての教室ではなく、未来を生きていく次世代の子どもたちのための教育を提供する英語講師としての心構えを習得するのです。

先生自身の英語レベルや、使用している教材、教室の生徒年齢、教室の経営形態などに一切関わらず、どなたにでも刺さる、普遍的で本質的なすごい講座だと思います。

生徒たちがどんどん英語で発話します♡
提供するのは英語だけではありません。

「ただの英語講師」から「次世代型こども英語講師」へ。そして更に…

今見ると可愛けど、当時は育児だけで精一杯!

蛇足ですが、この講座には思いがけない効果が一つありました。

それは、講師としての自分が変わっただけでなく、親としての自分もガラリと良い方向に変わったことです。

冒頭で触れた我が子の英語の件ですが、今では、頻繁にNon Target Englishが家でも飛び交い、英語での読書習慣も定着しました。

更に子どもとの接し方や私の言葉選びも変わりイライラが爆発することが激減しました。

これらは講座に含まれているコーチング演習を通して学んだことです。
あらゆる方面で内容が濃かったなぁ…と今思い出してもしみじみ思います。

もし受講を迷われている先生がいらっしゃったら、私は心の底から、この講座をオススメします。日本の英語教育を、そして、何よりも次世代の子どもたちの教育をより良くしたい仲間が1人でも増えたら大変嬉しいです!

佐野 みのり(Minori Sano)
English Uplift 2期修了。3期をリピート受講。
広島県安芸郡坂町在住。
次世代型子ども英語教室「英語クラブcooee」主宰。

HP:英語クラブcooee

「小さな町から世界へ広がる窓」として、生徒一人一人のニーズや興味に寄り添いながら、可能性を最大限に広げるレッスンを提供中。


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