Matthew先生からのメール
2018年6月24日、Matthew先生からメールが届いた。
Dear Kaori-Sensei,
It was good seeing you at the recent APRICOT Mates Meeting.
I’m writing to you because I have a favor to ask. Allow me to explain.
Matthew先生と言えば、APRICOTのセミナーで毎回登壇し華麗なレッスンのデモを披露してくれるSuper Teacher。
月初めのイベントで名刺交換をしたものの、私にとっては雲の上の人。親しく話したことは一度もない。
なんだろう、とドキドキしながら読んでいく。
- 5ヶ月の養成講座のプログラムをデザイン中。
- 内容について先生たちの率直な意見を聞きたい。
- 明日夜9時に電話してもいいか。え?えっ??ええええええええ~っ????
マジ?直接声かかった!
3年以上待ってた養成講座!
しかも5ヶ月、直接指導受けれるって、The H&M (あの、Hiromi先生とMatthew先生)から。
いや受けるやろ、そら受けんとあかんし、受けへんかったらアホやろ、いやもう絶対受けるし!!!!
果たして、翌日Messenger Phoneでプログラムの内容を説明してくれたのだが、心はもう受講すると決まっていたので、金額も確認せず、”I’ll do it! I’d love to take the program!”
速攻サインアップとなった。
事前課題は、なかなかにキツく、講座中も課題が多く、ついていけなくて何度もくじけそうになった。
ひろみ先生とMatthew先生に導かれ、同期に励まされ、「学びたい!」という熱い想いとアドレナリンのおかげで、5か月後無事修了。
修了式のあとの個別インタビューでは、感無量でカメラの前でボロボロ泣いた。(0期全員、号泣!)
先生と呼ばれたくない
「Hello!かおり先生です!」
教室から配信するメッセージはこれで始まる。
自分のこと「先生」付けて呼ぶのってどうなん、と思われるかもしれない。
自宅で英語教室を始めて10年、生徒も保護者も私のことは「かおり先生」と呼ぶので「先生」は名前の一部になってる。
でも、実は English Uplift の「次世代型こども英語講師養成講座」を受講するまでは、自分のことを「先生」と言いたくなかったし、呼ばれたくもなかった。
名刺のタイトルにも、teacher の文字は入れてなかった。
(そのクセ、ちょっとここでは紹介するのが恥ずかしい、色んなタイトルを入れてた)
「先生」ってちょっと偉ぶってる感じがイヤ。
「先生」っていうだけで、周りが媚びてる様子がイヤ。
「先生」って呼ばれる人の中にはそのタイトルが似つかわしくない人が大勢いる。
(そうじゃない人もたくさんいるけど)
「先生」なんていう仰々しい呼ばれ方より「かおりちゃん」の方が好き。
とまぁ、私なりのどうでもいい美学というかポリシーがあったわけ。
養成講座を受講中は、受講生同士「〇〇先生」と呼び合うのでそれがちょっと苦手と感じていたこともある。
先生、先生って学校みたいでなんだかな~、と思ってた。
覚悟を決めた日
2019年の夏、ひろみ先生とロンドンに行った。
翌年、英国国際教育研究所で開催する講師養成セミナーの下見と観光を兼ねての旅。
(Covid-19の影響で開催は2021年に延期)
5日間、朝昼晩ずーっと一緒。ずーっと話ができる。
こんな贅沢なことない!!!
滞在中、ひろみ先生お気に入りの書店巡りをした。
(ひろみ先生はかつでロンドンの住人だったそうだ)
どの書店もまるで博物館。蔵書の数もさながら質が高い。
店内でゆったりと読書できるよう、ソファやチェアーが設置されている。
教師用のコーナーに注目すると、置いてある本のタイトルがとても興味深い。
ハウツー本よりも目立つのが、4C教育を意識しているであろうというもの。教育大国イギリスでは教師の質が世界的に高いと言われている。なるほど、そもそも売れる本が違うんだ、と納得。
- What if everything you knew about education was wrong?
- Neuroscience for Teachers
- The Perfect “teacher” Coach
- Teaching Creative Thinking
- Talk-less Teaching
書店内のカフェで紅茶を飲みながらひろみ先生が言った。
「私はね、子どもたちに近い先生たちこそ、自分は真の教育者になると覚悟を決めて欲しいの。自覚して欲しいの。」
別にこの時初めてではなく、普段からよく言ってること。
でもこの時、Westminsterの書店のカフェで紅茶とスコーンを頬張りながら、私は初めて「自分は先生なんだ」って自覚した。結局、「先生」って、とあれこれ御託を並べていたのは、自分が教育者だと言える自信も覚悟もなかったからだ。
大学に行ってないから、専門的な教育を受けてないから、きっと自分は「先生」としては劣っているから。
雑貨コーナーにあるコットンバッグには、”Teachers are real influencers.” の文字がプリントされていた。
「かおり先生のおかげで英語が大好きになった」
「大人になったら英語の先生になりたい」
「かおり先生が励ましてくれたから最後まで頑張れた」
生徒たちから届いたメッセージには、嘘偽りのない本心が詰まっている。
「教育とは人が幸せになるためのもの」
またひろみ先生の言葉を思い出す。
そして私は、「教育者になる」とようやく覚悟を決めた。
Go Together
この養成講座はやたらとリピート率が高い。
かくいう私も0期修了後も、リピート受講し続けている。すでに4期連続受講しているが、毎回気付くポイントが違う。講座の内容は毎回ガラリと変わることはないが、受講している時の自分のステージによって視点が変わる。
それもそのはず、ひろみ先生とMatthew先生が25年以上かけて築き上げてきたものをぎゅっと凝縮して詰め込んでいるのだから。2年やそこらで真髄まで完全に理解するなんてできるわけがない。
だから何度受けてもいつも得るものがある。
「受講」と聞くとなんだか受け身な感じがするけれど、実はまったく逆でむしろ時間経過とともに能動的になる。
自分の可能性がどんどん広がっていくのを、ひしひしと感じる時がある。
English Uplift では一生の付き合いになるだろう、という仲間ができる。
児童英語の先生としての自分の在り方、英語を教える目的、自分の夢について、本当に何時間も語り合うことがしばしばある。
色んな勉強会に参加したり、組織に所属したりしていても、ここまで深く本音をさらけ出すことは滅多にない。
だからこそ、他の先生たちも同じような悩みを抱えながら、未来を創るこどもたちのため、自分の幸せのために頑張っているのだと分かると本当に胸が熱くなる。
そして、仲間の誰かが生徒や保護者、または他の何かに悩んでる、とわかると自然に受講生同士がオンライン上で集まってグループコンサルが始まる。
私も何度この講座生同士のグルコンに助けられたかしれない。
アタリマエのように聞こえるかもしれないけれど、大人の社会では意外と他人の面倒ごとには関わらないようにしてる人の方が多いのではないだろうか。
悩んでいる仲間のために、自分に何ができるだろう。
考えて行動することは、私自身を大きく成長させる。
そして何より仲間の力になれた時、何ともいえない幸福感に満たされる。
共に未来を築こうという想いをシェアする仲間がいれば、何があっても笑顔でいられる。
幸せでいられる。
If you want to go fast, go alone.
If you want to go far, go together!
夢は必ず叶う
私は仕事が好きだ。
(ワーカホリックか?と思うこともあるくらい)
私にとって一緒に仕事をする人は、共に未来を築いていく大切な仲間。同じ組織に属している必要はない。
未来を創るこどもたちのために何ができるか。
これをするんだ!
これをしたんだ!
そう信じて言い切れる人たちが仲間になる。
講座受講前は、私にとってはひろみ先生とMatthew先生は憧れの人たち。
遠い遠い存在でモチロン「仲間」ではなかった。
講座を通して「憧れ」が「共鳴」に変わり、いつしか「絶対一緒に仕事したい。こんな未来を築きたい」と強く思うようになった。
そんな夢をある時ひろみ先生に語った。
「いいね、一緒に仕事しましょう」とあっさり言い切ってくれた。
その瞬間「一緒に仕事したい」という希望は、「一緒に仕事する!」という確信に変わった。
今、English Uplift の事務局として、共に未来を築く仕事をしている。
この文章を書きながら、共に未来を築いていく仲間を思う。
そんな仲間が増える=一緒に「仕事」することで、自分も周りの人も大人も子供も、みんな笑顔が100倍になる!
夢は必ず叶う、と信じる自分がいる。
夢は必ず叶う、と信じてくれる仲間がいる。
自分を信じることの大切さを説く人は多い。
人から信じてもらえると、それは相乗効果で信じるエネルギーは倍増する。
自分と生徒を信じる先生が増えることで、目の前にいる生徒は、きっと夢を語るようになる。
夢は必ず叶う、だってかおり先生が信じているから
If you can dream it, you can do it.
- Walt Disney
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